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outsider 2-3

この作品は年齢制限がある(若い方には不適当な)文章を多く含んでおります。
過激な性描写や不倫を描いており、猶且つ登場人物の人格を著しく変えております。
その為、このような文章をご理解いただける方のみご覧下さい。
十代のお若い方や年齢制限を感じさせる表現、キャラクター(人格・性格)変更を好まれない方はご遠慮下さい。
読後の苦情も受けません。






拍手[2回]






日曜日の朝、激しくなるインターフォンで目が覚めた。
まさかとは思ったけれど、いつものように足を忍ばせ玄関に向かい、息を殺すとドアスコープを覗いた。
突然ドアがノックされ、びくりとする。
もちろん、清四郎がやっているんだ。

ドアチェーンを付けたまま、細くドアを開けた。
そこに切ない目をした清四郎が、休日を感じさせる服装で立っていた。

「何・・・・・お願い、帰って」
「ここを開けて下さい。話がありますから」
「話なんてしない。もうここに来ないで。帰ってよ」
「早く、大切な話なんです」
「帰れって」

あたしはドアを閉めようとした。

「僕は、あなたを、選んだんです。だから、悠理」

ハッとして、震える手でチェーンを外しドアを開けると、いつものように清四郎がドアの鍵を閉め、チェーンを掛けた。

「清四郎・・・」

あたし達は激しく抱き締め合い、同じ位の口付けを交わした。
息が出来ないほど、激しかった。


たった一週間セックス出来ないのが、こんなに辛いなんて思わなかった。
多分、いつもと違うからなんだろうけれど。
相変わらず達する事は出来なかったけれど、充分だった。
清四郎と肌を合わせている事が、とても安心で幸せに思えた。

「ずっと、したかったんです。あなたと」
「あたしも」

あたし達は一度も避妊具を着けてセックスをした事が無い。

時々、思う。

清四郎はやっぱりあたしが大切ではないのかなって。
でも清四郎に言わせれば、直接の方があなたを感じる事ができるから、と言う。
どちらでもいいけれど、もし妊娠したらどうするつもりなんだろう。
怖くて、訊けない。

「今日は、休みなんだろ?いいの?こんな朝早くから」
「ええ、ちょっと会社に行くと言って来ました。昼過ぎたら帰ります」

清四郎にしがみ付きながら、訊く。

「あたしを選んだって、どういう事?」
「離婚、するんです」
「・・・・・」
「妻は最近、いろいろな講習会に出ていたんですって。自立する為と言ってました。
僕と別れて、自力で子供達を育てるんだそうです」
「・・・・・」

あたしは清四郎の胸で、何度か首を振った。

久しぶりに緩やかな時間が過ぎ、そこで微睡、もう一度交わりを行おうとした時、清四郎の携帯電話が突然鳴った。

「うちのから、です」
「出て」
「え、ええ」

あたしに背を向け、話し始めた。

「えっ?何ですって」

話しながらあたしを振り向く。
インターフォンが鳴る。

「な、なに?」
「ここに、来たそうです」

清四郎がベッドから凄い勢いで出た。
突然、嘔吐があたしを襲う。


終わる!終わっちゃう!!
もう全て終わっちゃう。


清四郎は急いで服を着ると、走るように玄関へ向かった。


終わり、なんだ。


玄関で激しい言い争いが聞こえたかと思うと、ドアが、物凄い風圧で閉まった。

あたしはブランケットを頭から被り、泣きながら震えていた。



目が覚めた時、すでに昼を充分に過ぎていた。
窓のカーテンの隙間から、初夏の柔らかい陽射しがベッドルームに注がれていた。

あたしは初め、自分がどういう状況にいるのか理解できなかった。
頭がぼんやりしていて、ただ不安な気持ちだけは理解できた。
でもそれは気持ちだけで、その理由を知る事ができなかった。

・・・自分が全裸でブランケットを被っているのを知った時、全て理解する事が出来た。

ああ、今朝、清四郎が来たんだ。久しぶりに激しいセックスをして・・・
・・・そして、あの人も、来たんだ・・・

あの人・・・
そう、何度か見かけた事がある。
結婚式の時と、あたしの家でパーティを開いた時。
あと偶然街で会ったんだ、清四郎達と。

凄く小柄な女性だった。雰囲気は野梨子に似ているけれど、全く違うタイプの女性。
美人だけど、印象的じゃない。
なんであんな女を清四郎が選んだのか、分からなかった。

何故?どうして?
どうして、野梨子じゃないんだろう・・・そう思った。

そう、野梨子と結婚すれば良かったのに。
そうすれば、こんな事にはならなかった。
野梨子だったら、あたしだって納得できた。なんであんな女と・・・



その日の夕方、清四郎がまた来た。

いつものように電話が3回鳴り、程無くしてインターフォンが鳴った。

あたしはドキリとしたけれど深呼吸をしてから普通に玄関に向かい、ドアチェーンと鍵を外し、ドアを開けた。
そこにあの人が一緒にいたとしても、仕方ないと思った。
でも、清四郎だけがそこに立っていた。

「何故?」
「ちょっとだけ、散歩のついでに寄ってみました。中に入れて下さい」
「いいの?」
「ええ・・・多分ここに寄る事、知ってるでしょう。あの人は」
「大丈夫なの?」
「ええ。今朝のような事は、もうしないそうです。大人気無かったと言ってました。
あなたに・・・謝って欲しいと、言われました」
「そ、そんな事!こっちが悪いのに!」

清四郎はスルリと入り、ドアを閉めると鍵とドアチェーンを掛けた。

「あの人は、そういう人なんです」
「・・・・・甘えちゃってたんだ、あたし達」
「ええ・・・そうですね」

あたし達はリビングに行き、並んでソファに座った。

「お酒、飲んでるの?」

ほんの少し、アルコールの匂いがしたから。

「ちょっとだけ」
「電車で来たの?」
「ええ」
「昼間からお酒飲んで・・・ダメなパパだな」
「悠理・・・」

あたし達は今までに無いほど静かに抱き締めあった。
肉体を交わせる時も、清四郎が達する時も、その声を殺した。

「・・・中に、出しちゃったの?」
「悠理は僕のものだから、心配しなくてもいいでしょう」
「でも・・・」
「生理が狂ってるから、心配?」
「ん・・・そりゃ・・・」
「もし今後妊娠するような事があったとしても、その時は産んで下さい。
僕達の子供を。愛し合ってできた子供なんですから」

狂ってる。清四郎は狂っちゃってるんだ。

「清四郎、しっかりしてよ」

ソファの上で半裸にしたあたしを優しく抱き締めて、耳元で囁く。

「僕を捨てないで下さい。僕を、独りにしないでくれ・・・」


あたしは清四郎に水を飲ませると、シャワーを浴びさせ、家に帰した。

その日の夜、下腹部に激痛を感じた。予定通り生理が来たのだ。








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